PAST EXHIBITION

“アウターサイド -OUTERSIDE- ”

日程

2015年5月16日(金) – 6月7日(日)

開廊

12:00 – 19:00
休廊 月曜

会場

CALM & PUNK GALLERY

入場料

無料

オープニングレセプション

5月16日(金)
19:00 – 22:00

「早川モトヒロの呼びかけにより企画された本展覧会。60 年代生まれの水野健一郎、70 年代生まれの早川モトヒロ、80 年代生まれの牛木匡憲、3人の年齢はちょうど7つずつ離れている。にもかかわらず、世代を超えた共通点がある。作品には必ず超人(怪人、宇宙人、人造人間のようなもの)が登場し、その造形は 60 年代~ 70 年代の特撮ヒーロー全盛期のものと類似している。この現象を単なる影響として語ることも可能だが、ここでは人間の脳が生み出す普遍的な造形美の問題として考察したい。3人にとっての超人は美意識の象徴であり、そのヴァリエーションを拡張するための媒体だ。美の二大要素である抽象と具象は意識の世界を飛び出して人型に蒸着する。とどのつまり、我々は地球人なのだ。」 -2015 年 4 月 水野 健一郎

– アウターサイド開催によせて –
水野健一郎の主成分は「フォーム=情報」である。フォームは数あるコミュニケーションから採掘され、物質性の 衣をはぎ取られる。メディアから切り出されると同時に裸にされたフォームは、その固有の既視感を核として残存 させながら、水野の脳内で再構築される。いや次の構築に必要なテクネのために、水野自身がアップデートされる と言った方がより正確だろう。新たなフォームは作品ではなく、水野にヒットするからだ。物質から解き放たれ、既視感をエネルギーに変換したフォームにとって、メディアを着替えることはかくもたやすい。だからこそ空間を 飛び越え縦横に行き来するダイナミズムを、水野は手中にできるのである。この水野の前に牛木匡憲と早川モトヒロがあらわれた。彼らに共通するのは無意識な絵画への帰結であり、それは作品を単一メディアへ定着させようとする二人の志向にも見てとれるだろう。牛木はキャラクターの記号性を薄めながらも、空間と平面性との間で煩悶する。色彩や「ムラ」と向き合うことで、非対象の画面へと向かいつつも ある。早川はアイソメトリカル手法をペインティングに取り入れた。物体の配置と絵具の筆致を等価の行為ととらえ、きわめて恣意的なその構成は、アイソメトリックな舞台装置によって破綻なく制御される。無意識ではあるが、水野とは真逆なこの閉じた空間のなかでこそ、二人のプロパビリティが何かに鋭く照準する。 意味の消去から非対象性へと向かう牛木の煩悶と、レイアウトと筆致を等価にとらえた早川のルーチンによって、 閉じた空間からフォームが溶け出し、水野が築き上げたイデアの牙城を突き崩してしまうのかも知れない。 -2015年4月都築潤

早川モトヒロ / Motohiro Hayakawa
1974年山口県生まれ。山口芸術短期大学卒業。
2000年東京を拠点にイラストレーターとして活動をスタート。近年は展覧会やライブペイティングなどアーティストとして国内外を問わず活躍中。 特にフランス、スペインなどでは高い評価を得ていて個展は固より画集が刊行するなど海外からの期待も高い。
http://www.facebook.com/ZaoChuanmotohiro

牛木匡憲 / Masanori Ushiki
1981年新潟県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン科卒業。
文具メーカー、WEB制作会社を経て現在フリーランスのデザイナー兼画家。 W E B 、ゲームグラフィック、広告、雑誌のイラストレーション、アパレル、雑貨などのグッズデザインなど幅広く活躍中。2014年より NHK子供番組 『シャキーン!』の番組内コンテンツにて絵を提供。アニメ、特撮にでてくる 「Fighter(戦士)」を嗜好し、幼少期から今に至るまで変わらぬスケッチを続けている。
http://ushikima.com

水野健一郎 / Kenichiro Mizuno
1967年岐阜県生まれ。鳥取大学工学部社会開発システム工学科中退。セツ・モードセミナー卒業。
既視感と未視感の狭間に存在する超時空感を求めて自身の原風景であるテレビアニメの世界観を脳内で再構築し、多様な手法でアウトプット。個展などの展示活動の他、ジャンルを超えたコラボレーションを精力的に行う。作品集『Funny Crash』(2009年)、『KATHY’s “New Dimension”』(2011年)をTOKYO CULTUART by BEAMS より刊行。2012年より映像チーム「超常現象」、美術ユニット「最高記念室」としても活動。
http://kenichiromizuno.blogspot.jp