PAST EXHIBITION
PAST EXHIBITION
2019.06.22.Sat – 07.07.Sun
12:00 – 19:00
日曜 月曜 休廊
最終日曜日7.7のみ開廊
2019.6.21.Fri
19:00 – 22:00
誰かのつくった、
あるいは、つくらされた、
光景や物体。
第三者が、記憶を着色したメモの様なバラエティーパック。
私はただのフィルター兼工程。
CALM & PUNK GALLERYでは、6/22(土)より、宮澤謙一 個展“CHOCO MINT CONDITION”を開催いたします。杉山純と共に活動するアーティストユニットmagmaは、これまでゆずや木村カエラをはじめとするミュージシャンのMVやステージセット制作、富士急ハイランドやラゾーナ川崎プラザなどの広告に作品を提供。並行して自身のプロダクトや作品の発表を続けてきました。2017年にはmagma10周年の節目に合わせて、ラフォーレミュージアム原宿にて大規模個展を実現し約7,000人が来場。本展は宮澤謙一にとって、初の個展開催となります。
宮澤の創作のルーツには、日曜大工やそれに纏わる工具を好み日用品やオブジェを自作していた祖父と父の存在があります。モノを作り出す様子とモノに囲まれた光景、自作ならではの創意工夫( = 既製品をその意図と違う使い方をする) を原体験に持つ宮澤は、0から何かを作り出すのではなく、既製品や映画の1シーンを使用し作品を作りだします。
宮澤は日課的に中古品店巡りやネットサーフィンを通して詳細不明のジャンク品を集めています。「ブートレッグフィギア」「名もないキャラクター」「B級電化製品のパッケージ」に「作者不明の合成写真」などへのフェティッシュ的とも言える愛着を持ち、本来は誰も知りえることの出来ないそのモノたちの過去やストーリーに思いを馳せるのです。その時に初めて、「彼ら」は「かつて誰かが作り(作らされ)、消費され、捨てられたモノたち」という過去の痕跡や気配を獲得し、宮澤はその存在感を解体/再構築します。往往にして「彼ら」はもともとクールで美的なモノではなく、間抜けで不憫ですが、そんな「彼ら」を自身の作品に仕立てていく宮澤は「笑えるほうが良い」と愛情たっぷりに言い放ちます。
本展タイトルに含まれる「mint-condition」とは、ビンテージ品の状態を示す言葉で「新品同様・未開封」などの意味を持ちます。宮澤によって新たに再構築された作品たちは、各々の持っていた過去や気配を組み替えられ、新鮮な存在に飛躍します。しかし、作品の節々には既製品だった「彼ら」の持つ気配や既視感は残り、それは鑑賞者の想像力をも刺激します。決して強くメッセージを刻みこむのではなく、自身が愛情を注ぐ対象に記憶を見つけ出し組み合わせ、色鮮やかな余白と共に提示することで、何かに胸を弾ませた記憶を思い起こさせてくれるのです。
本展では、立体作品、新たな挑戦となる絵画作品、平面コラージュ作品など約20点の新作が並びます。また、今回初披露となるおもちゃメーカー「loop」とのコラボレーションによるスペシャルカラーのソフビ作品 30体を限定販売いたします。新しい領域に踏み出したことでより純化された作品群と、宮澤の色褪せない想像力を、是非会場で感じていただけましたら幸いです。
宮澤 謙一 / Kenichi Miyazawa
アーティストユニットmagmaとして活動しながら立体、コラージュ、ソフビなど自身の作品を日々制作している。2016年にトーキョーカルチャートbyビームスにてイラストレーターのオオクボリュウと2人展を開催。
Instagram: @ken01_magma