PAST EXHIBITION

Takuro Tamayama solo show
"Dirty Palace"

日程

2018年11月10(土) – 11月27日(火)

開廊

12:00 – 19:00
休廊 日曜、月曜日 / 最終週は日月オープン
26日(月)・27日(火):14:00~21:00

会場

CALM & PUNK GALLERY

入場

無料

レセプション

2018年11月9日(金)
19:00 – 22:00

玉山拓郎がつくる空間は、失われたイメージを急速に探し出すメタ検索エンジンのように、そして未分化なイメージをゆっくりと浮かび上がらせる揺りかごのように現れてくる。その混成のスピードは、事物を客観視することを忘れさせる、にもかかわらず、われわれの生活を遠くから俯瞰する別次元の存在者をも想起させるのだ。
こうした空間では、グリッド状の時空間が、やわらかくねじれているような感覚におそわれる。それは、テレビ画面で放送の間に一定の信号を発するカラーバー映像、あるいは立方体のかたまりの間で反復し回転し続けるルービックキューブが、それらの規則的なイメージの重なりそのものに、モアレを生じさせているような次元のねじれである。どこか懐かしく、どこか疎ましい……。こうした対義語の間にも入り込んでくるのだから、そのやわらかいねじれは実は鋭利な切断面であるのかもしれない。玉山がつくる、清潔感あふれるCleanな、既製品の家具たちがならぶHouseは、光と影の向こう側にあるDirtyなPalaceに鏡映しになるのだろうか。作品は一点のみ。空間である。Clean HouseとDirty Palaceの界面に入り込んでいく、そんな体験をしてみたい。
玉山拓郎の個展「Dirty Palace」がCALM&PUNK Galleryで11月9日(金)より開催される。
中尾拓哉(美術評論家)

玉山 拓郎 / Takuro Tamayama
1990 年、岐阜県出身、東京都在住。
鮮やかに彩られた壁や照明、椅子やキャビネットといった 日常的な事物の数々によって、構成的かつ夢想的な色調のコンポジションを 展示空間につくりだしたインスタレーションを発表している。 近年では、映像作品をインスタレーションに加えることで、 入れ子状となった構成的抽象空間の創出を試みている。 愛知県立芸術大学を経て、2015 年に東京藝術大学大学院を修了。

Photo by Takamitsu Nii