PAST EXHIBITION

下山健太郎個展「Feel at Home」

開催日時

2024年8月23日(金) ~ 9月15日(日)
13:00-19:00
水曜日 ~ 土曜日、最終日曜日
入場無料 / 上記時間外アポイントメント制にてオープン可

CALM & PUNK GALLERYは、2024年8月23日から9月15日までの会期で、下山健太郎個展『Feel at Home』を開催いたします。これは、GASBON METABOLISMでの柿落とし企画に続く、GAS AS I/F施設二度目の個展となります。

下山健太郎は時間や記憶のレイヤーが重なり合う抽象的な風景や、人の気配を感じさせる風景を描きます。

修士課程修了後、彼はキャンバスを木枠から外すという大胆な試みに取り組みました。この行為により、絵画の薄さや軽さが強調され、キャンバスを貼り付けた壁や空間も作品の一部となりました。これらの外的要因が絵画の見え方に変化をもたらす可能性を見出した彼の考察は、今も制作のテーマとなっています。

その後、彼の意識は「薄さ」という概念に集約され、絵画におけるいくつかの重要な要素に対面しながら作品を制作してきました。額縁は外界との結界のような機能を持ちますが、これを取り除くことで風が絵に舞い込み、外部との混ざり合いが生じ、異なる次元の要素を纏います。 
キャンバスという構築的な要素に窓枠を描き、その中に物語を描き出します。観客は意識しなくとも、窓枠の中の物語に引き込まれます。脆い構造の中に窓枠という擬似建築を建てる試みは、絵画の審美性を解き明かす点でとても興味深いものです。

今回、下山は鉄のフレームの中に絵を貼り付けました。フレームは外的要因を排除するものではなく、クッキー型のように壁を切り出したようにも見えます。以前は環境の中で作品が変化していくことを単なる劣化と捉えていましたが、フレームをつけることで、経年という時間の流れも作品の一部として留めることができると気づきました。

本展示ではこのフレーム作品をメインとした新作が立ち並びます。
折り畳む、重ねる、丸めて移動することで、複数の時間を内包する絵画の在り方を問いかけます。
初の大規模個展を是非ご高覧頂ければ幸いです。

下山健太郎(しもやま・けんたろう)

1990年、東京都生まれ。2016 年に東京造形大学大学院 美術研究領域修了。
空間や時間に干渉し関係性を探る事で、世界の事象を有機的に把握するような絵画を制作している。 
2018年よりインディペンデントの出版社「ハンマー出版」を主宰。 2024年より「文學界」の装画を担当。

主な個展に「Table of Contents」(2022年、LOOP HOLE、東京)「 The Whole World Is My Warehouse 」(2022年、GASBON METABOLISM、山梨)「Open End」(2022年、Peaple、東京)「The Window and So On」(2022年、NADiff A/P/A/R/T 、東京)など。主なグループ展に、「ATAMI ART GRANT 2023 」(2023年、ATAMI ART VILLAGE、静岡)「ユートピアのテーブル」(2022年、The 5th Floor、東京)「3人のキュレーション「美術の未来」Shibuya Hikarie Contemporary Art Eye Vol.15」(2021年、Hikarie 8/CUBE 1, 2, 3、東京)「国立奥多摩湖 ~もちつもたれつ奥多摩コイン~」(2020年、gallery αM、東京)など。

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