PAST EXHIBITION

"Frame Wave" by MSHR

Date

10.26 Sat – 11.3 Sun
Closed on Monday (10.28)

Open

12:00 – 19:00

Venue

http://calmandpunk.com/visit/

Opening Reception

10.25.Fri 19:00-22:00

協賛

HTC NIPPON株式会社

CALM & PUNK GALLERYでは、10月26日より、ニューヨークを拠点とするアートコレクティブMSHRによるインスタレーション「Frame Wave」を発表いたします。Brich Cooper、Brenna Murphyの2人で活動するMSHRは、3DCGを用いたデジタルスカルプチャーや映像作品、自作のシンセサイザーを用いた音響作品やパフォーマンスなど多岐にわたる手法を探求・制作しています。世界中を転々としながら欧米・アフリカ・アジア圏など世界各国での滞在制作プログラムに参加し、MoMA PS1、ボストン美術館、アフリカ最大の芸術祭National Arts Festivalなどでも作品を発表してきました。今年3月にはラフォーレ原宿ミュージアムで行われた展覧会「Phenomenon;RGB」へ映像作品を提供。また、グラフィックデザインの仕事も多々行っています。

本展「Frame Wave」ではMSHRが近年新しく取り組んでいるVRを使用したインスタレーション作品を発表いたします。会場自体が鑑賞者が没入できる装置になっており、現実空間とバーチャルの空間・それら2重の領域を探索することによって引き起こされる音と光の変化を身体的に体験することができます。
鮮烈な色彩・曼荼羅を思わせる文様や数学的に構築された無限に続く迷宮かのような彫刻と、それに呼応しあう音と光。視覚・体感を揺さぶられるMSHRのインスタレーションを体験できる機会をお見逃しなく。

「Frame Wave」についての解説
「Frame Wave」は鑑賞者がその中を探検することで変化していく作曲作品(コンポジション)である。コンピューターシステムで制御されるこの音楽作品は、ヴァーチャルリアリティ環境と現実のインスタレーション空間の両方に組み込まれたものである。インスタレーションの体験者はVRヘッドセットを装着して物理環境に上書きされた仮想環境の中を探索する。この領域内を歩く体験者がVR環境に埋め込まれたトリガーに衝突すると、仮想空間に変化が生じると同時に、現実空間においてもリアルタイムでシステム制御された音楽と照明に変化が生じる。この相互作用を通じて、VRヘッドセット装着者は電子音楽システムにおけるパフォーマーという役割を担い、作品空間に居合わせた他の人々はその観客の役割を担うことになる。

壁と床に設置されたタペストリーは形式化されたフローチャートであり、システム制御によって相互作用するこの音楽作品のグラフィックスコアとして機能している。これらのダイアグラムに含まれる各々の形は、VRユーザー、乱数トリガー、音響発生ユニット、モジュレーター、スピーカーなどの機能的要素に対応している。そして、要素同士を結ぶ線はそれらの因果関係と信号の流れを表現している。こうしたシステムの視覚的な空間化は、作品の構造についての見取り図を提供するとともに、鑑賞者がその中を移動するための道筋を示すものとなる。

このシステムは仮想次元と現実次元の中間に織り込まれており、その両方は鑑賞者の介在によって生じるフィードバックに接続されている。「Frame Wave」は音楽的にはサイバネティックス的な電子音楽という文脈に属しており、不確実性とフィードバックを作曲に利用することで自然界のシステムの複雑性を模倣した綜合的な因果関係のネットワークを形成するものである。また、この作品は視覚的にはMSHRのデジタル・スカルプチャーの系統に属しており、そこでは直感的・即興的なアプローチが関数的・数理的な方法と組み合わされている。MSHRにとって音楽と彫刻は複雑に絡み合うものである。「Frame Wave」では音楽と彫刻というふたつの領域は技術的・美学的に互いを変容させあう関係に置かれている。

MSHR
MSHRはビーチ・クーパーとブレーナ・マーフィによるアーティスト・コレクティブとして結成された。メンバーが共同開発する彫刻的な電子システムは、主にパフォーマンスやインスタレーションとして作品化される。MSHRのパフォーマンスは光や動きをフィードバック回路へと取り込む自作の電子音楽システムやアナログシンセサイザーなどを中心に組み立てられている。MHSRのインスタレーションには没入的に立ち並ぶ立体の中に生成的な電子制御システムが埋め込まれている。これらのシステムはアナログ/デジタル技術のいずれによっても構築され、生成と相互作用を伴うサイバネティックス的な構成を有している。フィードバックはMSHRの実践の根本的な仕組みとなっている。フィードバックはあらゆるレベルの活動に見いだしうるものであり、MHSRの着想の源のひとつである。MHSRは自己変容するサイバネティックス的な運動体として活動し、その出力は入力へと再び回帰し、その結果として新たに生じる形態はその運動の向かう先を示すナビゲーションシステムとして機能している。

MSHRという名前は時を経て展開する様々なアイデアに対応可能なモジュール式の略称となっている。MSHRはオレゴン州ポートランドのアート・コレクティブOregon Painring Societyを前身として2011年に結成された。MSHR結成後、メンバーの居住地はニューヨークとポートランドに位置している。この数年間のMSHRの活動は一定の拠点に留まるものではなく、様々なレジデンシーやプロジェクトに参加している。近年のレジデンシーにはChashmere Radio(ベルリン)、The Museum of Human Achievement(オースティン)、Sonoscopia(ポルト)、Aux-Air(ポルト)、HIAP(ヘルシンキ)、LAGOS(メキシコシティ)、Pioneer Works(ブルックリン)などがある。近年の展示は、Sorbus(ヘルシンキ)、Double-Grass(台北)、MoMA PS1(ニューヨーク)、National Arts Festival(南アフリカ)などで開催されている。近年のパフォーマンスには、The San Francisco Electronic Music Festival(サン・フランシスコ)、The Moscow International Film Festival(モスクワ)、Gardena Festival(ロッテルダム)、Canicas(オアハカ・河端一とのコラボレーション)Saturnalia(Macao/ミラノ)、Colexpla(ポルト)などへの出演がある。

2019年11月にはMSHRのパフォーマンス作品による全国ツアーが予定されている。

http://mshr.info/

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