PAST EXHIBITION

MODERN WARFARE (The Reasoner)
現代戦争術 「論理人間」
by LUNG

日程

7.14(土) ~ 7.29(日)

時間

12:00~19:00

休廊

日曜日、月曜日

オープニングレセプション

7.13(金) 19:00-22:00

いつもなら鳴り響いている発電機音は今は聞こえない。近づいてみると、ガラスは繊細な結露に覆われているのがわかる。配列をなす水滴模様はどこか絶望的であり、蠱惑的でもある。

著作権なんぞ御構い無しに登場する人物たちはチラシを配り、彼らの肉体はずたずたに変形している。利き手と反対の支配権握れぬ手による無法な演出。

編み目の含み笑いの奥に、何かに憑依されたジャガイモのような顔がある。

その不気味な表情を見ると僕は子供の頃持っていた縫いぐるみのクマさんを思い出す。ほんの少し裂けていた縫い目の中に指を突っ込んでみると、もう一匹のクマさん人形が出てきた事を。中に入っていたのはどうやら昔売れ残った商品で、あっけなく新商品の製造に利用される羽目になったようだ。

ある友人が機内で映画「ターザン」を観ていると、映像の編集ミスなのか突然、「jungle_sideboob_01(ジャングル−胸チラ画像01)ファイルが見つかりません」というエラー画面が表示された。その逸話は今でも頭を離れない。

まあそれはさておき、書道っぽい文字でも加えれば、手作りの良い感じは増すだろう。

教会に飾ってある垂れ幕は汝の蜘蛛問題に捧げる供物。
自己利益のためなら、多少ズルしても許されるだろう。ただ鏡の中の自分は見ない方が良い。

要するに、これこそ現代戦争だ。これこそカギカッコ付き論理人間って訳さ。

論理人間、とそのままの表記よりも「論理人間」の方がしっくりくる。
べつに“論理人間”でも構わないけれど。
音楽が流れ始める。
云々。

LUNG

ロンドンに住み、仕事をしているLungは三人称でこの文章を書いています。

変じゃないか?アーティスト自身が書いているのは明白なのに、他人を装って「住み、仕事をしている」とまで書いてある。
住んでいるのだからその都市で仕事をしているのは当たり前だろうし、もしそうでなければ通勤だけでヘトヘトに疲れてしまう。時差ボケが仕事を捗らせることでもあるんだろうか?私には分からない。

さて、一般的なバイオグラフィーが必要とする情報は、以下の通りである。(三人称はここまでにします):

私はアメリカ、日本とイギリスで展示をしたことがあり、美大在学中はほどよく出席し、今は主に絵画と彫刻を創っている。
もし他人がこの文章を書いているふりをまだするのであれば、私の作品に関する在りもしなかった対談から数句抜粋し、ここで引用することも出来るのだろう、そういうバイオグラフィーは読んだことがある。でも貴方に直接語り掛けている今、私にはそれが出来ない。
今回の執筆で纏めるとすると、私の創るモノとは映画を観ている時に連続する状況の設定ミスに気付いた時のあの感じ。俳優がプールから出てきて一秒後のシーンでは髪が乾いているときや、違う例えだとすると、業務用に作られた同一の音楽が様々な商品の広告で使われているのを聞いたとき。自分の作るモノはそのようなモノだと思うんだが、今のは何かしらフェイクの引用句を使って説明するべきだった。時すでに遅し。

ネットで読んだのだが:
バイオグラフィーを執筆する際、その構造は簡潔に纏め、且つ的確に書かれるべきである。
長ったらしくて纏まりのないバイオは読者を当惑させ、場合によっては読者を失くすこととなる。バイオグラフィーは三人称で書かれるべきである(まるでアーティスト以外の人が書いているかの様に)。

とまあ、既に取り留めもなく書きすぎてしまったし、三人称の点でも早々と失格。
簡潔にしよう。
気が向いたら作品をチェックしてみてください、気楽に。

Lung
(ロンドン)
(彼が住み、仕事をしている場所)
l-u-n-g.com